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2009年09月21日

藤原亜美&長尾洋史スーパー・ピアノ・デュオ at 東京文化会館

superDuo.jpg 藤原亜美&長尾洋史スーパー・ピアノ・デュオ

9月20日(日)18:00 東京文化会館小ホールにて、藤原亜美&長尾洋史スーパー・ピアノ・デュオの演奏会があり、仕事仲間でもあり友人でもある藤原亜美さんの演奏が楽しみで出かけた。

このお二人のスーパー・ピアノ・デュオは今回で3回目。前回はヒンデミットの2台ピアノの曲、シューベルト、ラヴェルなど、マニアックな渋いプログラミングだったが今回はシューベルトのフランスのモチーフによるディベルティメント、モーツァルトのソナタヘ長調K.497、そしてメシアンのアーメンの幻影というプログラムで、演奏も息がぴったりで奥の深い演奏が聴けた。

私は所用があり、シューベルトは聴けずモーツァルトも後半しか聴けずかなり残念だったがメシアンのアーメンの幻影が全曲聴けたのは非常に幸せだった。モーツァルトのソナタも非常に華やかで緻密な作品。そして演奏がそれにふさわしく多彩で見事だった。

メシアンのアーメンの幻影はただ、ため息が出るほどの音の美しさ。リズムも合わせるのはかなり微妙な部分がたくさんあるし、さすがに超絶テクニックが必要な2台4手の作品だが、お二人の演奏が圧巻でその集中力がずっと50分ほど続くさまは凄まじいほどの美しさがあった。この作品の間中、私は何度も宇宙へ想いを馳せた。

アンコールはプーランクのエレジー(2台4手)そしてドボルザークのスラブ舞曲(4手)から…特にプーランクが良かった…エレジーは音が厚くゴージャス、なのにほとんどがピアノやピアニッシモ、と言った弱い音に支えられ、さらに拍の頭に音がない、後打ちのリズムがずっと続く。長調なのに寂しくなる、音がゴージャスなのに切なくなる、不思議な曲。

藤原亜美さんのその楽譜を読み取る能力は業界では有名だけれどセンスも素晴らしく私はいつも安心して作品をお任せできる演奏家と思っている。長尾洋史さんは背も高く大柄なのでその音楽性にさらに力強い音量が加わる。そういうお二人は互いのリズムの取り方や音量コントロール等も良いため、そのバランス感の良さも心地よさを作り出してくれている。普段一年中どちらも大きなメジャーなコンサートで引っ張りだこのお二人。ソロも忙しくレコーディングも忙しい。そういうお二人がその合間を縫って好きな曲に情熱を燃やし、プログラムを練ったこういうコンサートは仕事から離れた、心からの理想を追求した豊かさがある…3回目にしてそれがさらにはっきりと形に表れてきている感があった。

次回がますます楽しみな「藤原亜美&長尾洋史スーパー・ピアノ・デュオ」である。

藤原亜美公式サイト
長尾洋史プレイズドビュッシー&ラヴェル
posted by カオリン at 23:56| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサートレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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