
ディーン・デュボア&クリス・サンダース監督「ヒックとドラゴン」がこの度ベネチア映画祭にて「アバター」と共にグランプリを受賞。
延長公開が決まり、丸の内ルーブルにて9/18〜9/30まで上映中。
この作品、夏に向けて公開だったのでてっきり子供向けかと思いきや大人が十分楽しめる作品。

ストーリーは、バイキングとドラゴンとの戦いが続いているバーク島でのファンタジー。ある日ヒックはケガをしたドラゴンのトゥースと偶然に出会う。本来なら敵同士であるヒックとトゥース。しかし、二人の距離は少しずつ縮まり、やがて誰にも知られないように友情を育んでいく。ヒックの父は島一番のヒーローで知られた勇者。父に知られたらトゥースを殺さなければならない…。が、ヒックはドラゴン=トゥースを知るにつけ、父達島の人間が持っているドラゴンへの恐怖や憎しみに違和感を覚え始める。ヒックはトゥースに愛情を注ぎ、トゥースはヒックを守ろうとする。物語最後はドラゴンとバイキングの壮絶な闘いになっていくのだが…
と割とありがちなストーリーとも言える。

が、このヒックとドラゴンの見所はそのトゥース、ドラゴンの描写に尽きるといっていい。
何しろいじらしい。飛べないトゥースを飛べるようにまでしてやるヒックとの友情、そしてそのトゥースがヒックに恩返しをしようとするさま。そのいじらしさと表情のきめ細かさは3Dである事も手伝って日常から逸脱し、そのファンタジーの世界にどっぷりと浸からせてくれる。
このドラゴンのトゥース、非常に懐かしい目つき、表情、しぐさ。よく考えたら我が家のクロネコにそっくりな事に気づいた。このドラゴンは猫をベースに描かれたという事で、なるほどぉ…と納得。だがそれだけではない。見終わってみるとただ可愛い、という感情ではなくて、この作品の作り手スタッフ全員の、このトゥースというキャラに対する愛情の注ぎ方が並はずれている事が、この作品を感動的にしているのだと気づかされる。愛に溢れた素晴らしい作品である。
映画館を出て自宅に帰るまで心温かな気持ちになれた幸せな時間だった。忠犬ハチ公にしても言えるが、口をきかない生き物の目で訴えるその表情には誰しも心揺さぶられるもの。この作品にはそういう見所が満載で、何しろいじらしい…の一言。
映画館は子供ではなくカップルで一杯だったのが印象的。3Dでなくても…等と当初思っていたが3Dは確かに新しい世界。今後自宅に3Dのテレビを揃える人が増えていくのは当然だとも感じる。
是非ご鑑賞をオススメしたい。
んで、我が家のクロネコもご紹介(トゥースの目つきにそっくり!)


ネコを飼ってる方は必見!あまりのドラゴンのネコっぽさに夢中になってしまうはず!
丸の内ルーブル上映スケジュール(9/30まで)