今回のご依頼はアンドレ・プレヴィンのGoodbyeという作品です。
歌詞も聞き取ったのですが、大変美しいものでした。
Goodbye
Goodbye Goodbye, no time for tears
no time to wonder why
Goodbye reply my younger years
Yet, I can scarcely sigh
Goodbye Goodbye, I’ve no regret
I lost it on the way with all the things
I’ll never get how small they seem today
Goodbye to the book I didn’t write
Goodbye to my silent song
farewell to the fields I didn’t fight
Who’s to say I was wrong.
Goodbye Goodbye to dreams untold
I can’t regret they’re through
Goodbye Goodbye to something old
Hello to something new
Goodbye Goodbye to something old
Hello my love to you.
この作品はアンドレ・プレヴィンが亡きかつての奥様、
ドリー・プレヴィンを偲んで2013年に作ったアルバムでした。
ドリーとアンドレは1959年から1970年まで11年の夫婦生活を送りました。
その後、ドリーはカナダの俳優で画家のジョビー・ベイカーと死去まで28年婚姻生活を送っています。
ドリーが亡くなったのは2012年。
つまり、アンドレ・プレヴィンは30年以上も前に別れている元妻の死に際して1年間で新しいCDリリースを企画し、彼女へのオマージュとして歌手のマイケル・ファインスタインとベーシストのデイヴィッド・フィンクとでこのCD "Change of Heart"を仕上げている事になるのです。
2人の間にどんなドラマがあったかは2人のみが知る事ですが、
離婚後もアンドレが、ドリーを女性という枠を超えた、アーティストとして詩人、シンガーソングライターとして尊敬しているからこそ、この思い出の作品12曲を亡き彼女へ捧げたのは確かです。
その中には映画「チップス先生さようなら」や「哀愁の花びら」で使われた作品、さらに使われなかった作品もラインナップされています。
追憶、感謝、嘆き、哀しみ…そこには2人にしかわからない気持ちの通い合いがあった事でしょう。
12曲はどれもあまりに美しく、アンドレのピアノとマイケル・ファインスタインの甘い声、さらに美しいデイヴィッド・フィンクのベースが切ないほどです。
仕事をしていると、アーティスト同士のちょっと複雑な切ない歴史がみえる時があります。
音楽はそれだけ人の心を如実に映し出してしまうものだとも言えます。
オペラ「欲望という名の電車」の作曲で現在でも現代作曲家として知られていますが、世の中ではジャズやポップスでも王道を歩くアンドレ・プレヴィン。
そんな大御所アンドレ・プレヴィンのプレイベートな横顔をふと見た事で、アンドレ・プレヴィンを身近に感じられました。
音楽の仕事をしている事が貴重に思えるのはこんな時だったりします。
秋の訪れには夜が長くなります。そんな時にはこんなCDはおススメです。
"Change of Heart- The songs of Andre Previn"
CD注文しました。
コメント嬉しいです!
今回のものもスウィートなベースとのデュオにヴォーカルのジャズセッションのスタイルです。何といってもアンドレ・プレヴンのピアノが美しいです。
きれいなテンションの和音が曲中に宝石を散りばめたようになっていてうっとりする時間です。
ドラムやパーカッションの入らないベースとのデュオって大好きです。鶴ちゃんもお楽しみ頂けたら嬉しいです。
実はかねてからドリー・プレヴィンの大ファンで、拙ブログの最新記事(2016年12月25日付)でドリー・プレヴィンの作ったクリスマス・ソングを紹介して、ふと(他にもドリーのことを書いておられるブログはどれくらいあるのかなあ。。。)とGoogle検索して貴ブログを見つけた次第です。
アンドレ・プレヴィンの追悼アルバムを教えて頂きありがとうございます。いつか聴いてみたいです。