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2007年05月18日

反省ー希望ー感激

Rigagrandリーガグランドホテル

昨晩の最終便で帰京。
肉体的には全く疲れなかったけれど
精神的には非常に凝縮したパワーを必要とした
仕事だったと思う。

録音当日…
マエストロ、下野竜也さんとの最終確認を済ませ、
最初の第一音が…もう違うのよねぇ…
音が芯から鳴ってくる…
何テイクか取るうちにさらに音がまとまりをみせて
音楽が流れ始めて…
大阪フィルハーモニーは素晴らしいオーケストラ。
それを実感して感激した。

ソリスト外囿祥一郎氏は絶好調。
この御仁は本当に疲れを知らない…
本当に金管楽器の演奏者なのだろうかといつも不思議。

普段私はネガティブな事を口にしない事にしているのだけれど
それでも弱さの方が勝ると気持ちがグラグラと来る…
「いかん、いかん、こんな事じゃぁ…」と自分に渇を入れる。

今回はまさにそう…同じCDの作品には三枝成彰さん、
前田憲男さん…と超ベテランの作品が並ぶ。
比較はどんなに愚かな行為かとわかってはいても、それを聞けば
どんなに自分のオーケストレーションが稚拙か…
そんな事は指揮者もオーケストラの方々にも一目瞭然なわけで。
まして自分は最年少…キャリアも共に…ね。

自分の作品自体(オリジナリティと言う意味で)を恥ずかしい、
と思うことはない。というか、それを否定したら
自分の居場所がなくなるし
この曲を選んでくださった方に失礼だし…

最近は「自分を信じよう」がテーマなので
それはそれだけれど、オーケストレーションのテクニックは
また別…

現時点でどうにも取り返せない距離感は大きく存在しつつ
それでも今のありのままの自分で最大限できる事を
する…それしかなかった…

マエストロ下野の楽譜処理のスマートさ、パッションには
感激を通り越して申し訳なさでいっぱいになった。
楽譜の欠点を補うためにどれほど「リトルシネマ組曲」の楽譜を
読んでくださったのだろうか…

さらに現場では演奏しずらい箇所を
コンサートマスターが次々とアイディアを
出してくださり、色々なところが改善され、
結果、「リトルシネマ組曲」は楽譜以上の
音楽に仕上がってしまっている…

ソリスト=外囿祥一郎氏が光り輝いているのは
下野さんと大フィルのみなさんが一致団結して
ひとつになったからなのよねぇ…
一流同士だから必ず良いわけではない…
強さがぶつかりだめな事もあるのは何度も見てきた。

でも一流同士がひとつになったら
その音楽の輝きは想像を絶するものがある…
スゴインデス…ホント…

なんて素晴らしい場所に同席させていただいたのだろう…

その一方で…
どうしてこんなに難航する曲しかかけないのかなぁ…
演奏が難航するのはひとえに作曲家の技術不足…
楽譜に力がないからだと私は思っている。
(もちろん普段のコンテンポラリーの世界は演奏不能な
部分を追求するから、その場合は別だけれど)

録音を終えたら一人の男性がニコニコっと近づいてらして
「リトルシネマ組曲、い〜い曲ですねぇ…」と
言ってくださった。自己嫌悪で逃げ帰りたい気持ちだった
私は予期していなかっただけに、
ふっと目頭が熱くなってしまった。
危なかったぁ…
オーケストラの事務局の方だった…
素直に嬉しかった…
フルート奏者の方から「いやぁ、おもしろかった…」
と言われた。

もっともっとテクニックを身に付けなければ…
自分の表現したい事をもっと明確に形にできなければ…
こんな素晴らしい方たちに演奏していただけているのに
それに見合うだけの実力が足りなすぎる…
悔しさと恥ずかしさと感激と…いろいろな感情が
ごちゃ混ぜになっていて。

さらなる精進を誓いながら帰途についた。

楽譜の当初の欠点はいろいろ書いたけれど
演奏によって今回は、それらが全くカバーされているのが
すごいことであり、感謝しかない。

このCDは素晴らしいCDに仕上がってくる予感がしている。
それは、曲目も多岐に及びバランスの良い
プログラミングで構成されている上に、
何よりも、指揮者をはじめ演奏者が一つになっている
良い演奏で録音されているから…
そして佼成出版のスタッフの皆さんの企画、
フォンテックの超ベテランレコーディングエンジニアの方々
の名編集で仕上がってくるのだから…

是非みなさま、お楽しみに。
画像は最終日に宿泊した
なんばの近くのリーガグランドホテル。


posted by カオリン at 11:11| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おつかれさまでした。
マエストロ下野いいですよねぇ。大フィルも大好きです。良いCDになるに決まってます。聴いてみたいです。
Posted by のだっち at 2007年05月18日 21:57
わぁ、のだっちさん!来て下さったのですね。感激。
今回の録音は仕事の枠を超えた大きな愛が
関係者全体を包んでいた気がします。
下野さんは同級生だった外囿さんを
全面的にサポートし、
外囿さんは同じく同級生だったマエストロ下野を尊敬している…
それを感じたオーケストラの皆さんは
その輝かしいヴィルトゥオーゾを披露している
ソリストと一緒に音楽を作っていくのが
たまらなく楽しくなってしまっている…
そういう暖かな空気の流れが
自然に出来上がってしまっていた気がしています。
今思い出しても心が温かくなりますから、
こういう事はそうそうない事だと感じていて、
本当に貴重な場面に同席した幸せに
今も浸っています。
あのお二人のなせる業かもしれません。
コンサートマスターがまた素晴らしかった…
演奏もお人柄も…
すっかり大フィルのファンになってしまっています。
Posted by カオリン at 2007年05月18日 22:43
お疲れさまでした。
でも奈良ホテルにも宿泊したり、京都へも立ち寄ったりと休息の時が少しでも持てたようでよかった!

 「自分を信じる」と思うと勇気が湧いてくる気がすしますね。信じられる自分でいる努力をしようと思うものね。
 幸せな時間を過ごせて何より。
きっとまた片付けとかでばたばたしそうだから!
Posted by masshy at 2007年05月18日 23:14
masshyさん、いらっしゃいませ。
最近ね、仕事してると素直が一番いい気がしています。
切れたり卑屈になったりは哀しいですね。
自分を愛せない人は人を愛せないし、地球も愛せない…
Posted by カオリン at 2007年05月19日 10:34
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