Natalie Portman確か終戦記念日だったと思うけど…
テレビをつけたら、ナタリーポートマンのインタビュー番組が始まった。
彼女はルーマニアとオーストリア系の血をひくユダヤ人。
父方の曾祖父母は第二次世界大戦中に強制収容所で死亡、
祖父母も被害を受けている。とインタビューではっきりと言っていた。
衝撃的だった…
そういう一族の歴史的環境の中、この笑顔と強さと自信、そして自由さ。
優秀な家系なのだろうけれど、ハーバード大学で心理学を専攻し、卒業。
その間も女優業を続けていたわけだし。
「こんなに忙しい中でも常に成績はトップだったそうですが、
どうしてそんな事ができたのでしょうか?」との問いに、
「忙しいスケジュールになればなるほど、きちんと集中するから良いのよ。ヘンに時間があるとだらだらテレビを見ちゃったりして結局時間が無駄になったりするものだから」
「昔から勉強は大好きで、がり勉の変な子、と見られていた」など、
何しろはっきりと何でも答えるナタリー。答えに迷いがないのが素晴らしかった。
嫌いな言葉は「天才=ジーニアス」という言葉。傲慢だと思うから。だって。かっこいー…
どの言葉も宝石のように輝いていて、ちょっと見るだけのつもりだった私はテレビ画面に釘付けになってしまったのだけれど、その中で忘れられない言葉があった。
一流の俳優ほど、初日の顔合わせに全て出来上がってやってくる…
つまり、それはきちんと彼らの家で地道に準備してくるということ。
ってある監督が言っていたそう。これは頭を殴られたくらいショッキングな言葉だった。
言い訳をしない、っていうのはそういう事なのね。
そこにはハッタリも見栄もない。
彼らの俳優としての真摯な姿勢がそこにあるわけだから。
美しいなぁ、まぶしいなぁ、そういう人生。
この番組を見てからというもの、私は少なくとも物事に謙虚に
接するように考えている。
すっごく反省しちゃったわけ…ね。
昔はこれくらいやっておけば大丈夫かな、ぐらいで
顔合わせに臨んだことも多かったし、レイジーだったと思う。
プロの生活が長いと、本番までに形になればいいんだから…
みたいな暗黙の了解が出来上がっていることも実は多い…
そういう所に自分の怠慢さを棚上げして逃げていた気がする…
今回はとにかく、準備から万全に!と気を配っているつもり。
それでも間に合わなかったりするんだものねぇ。
今回の
「二期会週間」の伴奏は、そういう意味では
楽譜をよく読み、よくさらい、というプロとして普通の事だけれど
今まで言い訳ばかりして出来なかったこと、を今回克服したくて…。
本当の音楽を追求するって何だろう…って。
作曲家はこの楽譜のここで何を言いたかったのだろう…?って。
どの旋律も埋もれる事なく歌い上げるのは…とか…
原点に戻って楽譜のアナリーゼをしている。
そうすると、前回までのコンサート、すべてが未熟すぎて恥ずかしくなる…
となると、今回のコンサートもいずれ恥ずかしくなるのよね…
そうね、完璧っていうのはないもんね、人間だから欠点あるし。
未熟さがすぐに熟すわけでもなし。それでも時間は過ぎる…待ったなし。
友人のサクソフォニストに須川展也氏がいるけど、
彼って何しろ変人扱いされるほどさらいまくる人。
もう周りが、大丈夫よねぇ、と言ったってご本人が納得するまで
練習は続く。彼は本当に一流中の一流よね。
そういうお手本が身近にいるのに…今まで何してたんだろ。
今年、何ヶ月か訪れた休暇があったお陰で忙しさに流されずに
ゆっくりと色々考える時間が持てたかな。
まだまだ自分にあきらめられないもん。
とにかく言い訳はしない! それだけはホント。と言うことでただ今ピアノ練習中。
posted by カオリン at 02:26| 東京 🌁|
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