毎日雨ばかり。
今年はとても梅雨らしい季節と言えます。
以前、皆様から鍋島佳緒里作品をネットで聞きたい、YouTubeで聞きたい、
というご要望を頂いていましたが少しずつ準備をし始めています。
そして今回、私がサントリーホールで作曲家としてデビューした時の作品、
"Rising Sun'96 "をYouTubeにアップしましたのでご案内致します。
ライジング・サン'96 は1995年に書いたピアノソロの作品で、
1996年4月25日「鍋島佳緒里の世界」サントリーブルーローズホールにて初演されました。
演奏はピアニストの鍋島信之氏。
今回の音源はその後の東京文化会館での再演の音源を使用しています。
こちらで聞く事ができます。
実は、このデビュー作にはエピソードがあります。
この当時、まだ先もわからずに個展リサイタルをする事で不安と期待でいっぱいでしたが、
背景にはこのリサイタルの年に嫁ぎ先が13億円の負債で一族倒産という
衝撃的な事が起こった年でもあり、どんな事があっても陽の昇らない日はない、
と念じるように一心に作品を書きました。
そして作曲家は平凡な生活からでは感動する作品が生み出せる訳がないと信じていましたから、
この一族の大事件もきっと作曲家の生活の糧になるのだと、自分を励まして暮らしていました。
住んでいた家も銀行の抵当に入っておりましたから当然それを手放し、ピアノも2台処分し…
小さなアパートに住んでから数年後、出した負債を一族は返済し終わり、
両親の元に裁判所から取り上げられていた実印とパスポートが返って来た時は感無量でした。
今この作品を聞くと、その言葉をそのまま東日本大震災の復興に祈りを込めて捧げたくなります。
「どんな事があっても陽の昇らない日はない」と…
そういう作品です。どうぞ、お聞き下さい。
美しい音色で演奏して下さった鍋島信之さんにも感謝を込めて。
こんな人生の大波乱の波に飲まれそうな時にでもサントリーホールでのリサイタルをキャンセルする事なく、資金から何から何まで準備をしてくれて支え続けてくれた、元主人がこの「ライジング・サン '96」を演奏して下さっているピアニストです。
彼の大きなバックアップを経て現在、私はステージに立つ事ができます。
by Kaorin
posted by カオリン at 08:00| 東京 🌁|
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鍋島佳緒里作品の演奏会&etc
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