Click for 東京, 日本 Forecast
5日間のお天気は?

2010年07月14日

初めて学んだオランダ語♪春学期終了。

nederlands.jpg ぬこ共の妨害に遭いながらも予習復習に燃えた3ヶ月間。

以前ベルギーはアントワープに音楽祭の取材で一ヶ月滞在した際に、どこもかしこもフラマン語で読めず参ってしまったのはホームページのダイアリーに書いた覚えがある。
それだけだったらオランダ語(フラマン語はオランダ語とほぼ同じ)を習おうとは思わなかったかも知れない。

自分にオランダ語を習わせようとした原動力はアントワープ王立音楽院の図書館だった。
ここにはラッヘンマンの作品は全て所蔵されているという素晴らしい図書館で、さらに私のようなツーリストでも簡単に入館できるそのオープンさにも感激。ただオランダ語が読めなければ閲覧の書類提出すら出来ないわけで。親切なお友達が助けてくれてコピーを取ったりして下さったお蔭で今でも日本に入っていない様々な楽譜を持っている。

で、帰国してからずっとオランダ語を習う気持ちはあったのだけれどやっとこの春から東京外国語大学のオープンアカデミーにてオランダ語を習える事を知った。講師は元在オランダ大使館の公使、そして各国の全権大使をお勤めになって帰国された松本俊先生。元外交官に教わるオランダ語、と言うだけでもゴージャスな心持ちになる。
実際その通りに松本先生の授業は豊かな時間で、ただの語学を学ぶのではなく、オランダの文化、国民性など、日常的にオランダの「今」に触れられる授業がとても楽しく、気づくと夢中で通うようになっていた。

アムステルダムにはシェーンベルク・アンサンブルを聴きにわざわざ列車で2時間以上かけてベルギーから出掛け、数日滞在した事すらあるオランダである。懐かしくもある。

オランダ語は表面上はドイツ語の形式に非常に似ているが、その中身はむしろ自由で気まぐれでフランス語の精神と何ら変わりない気がしている。自分は英語の次には最もフランス語を長く学んだけれど、実はドイツ語も相当頑張って先生について数年間学んだりしていた。ただあの厳格さに参ってしまって、ドイツ語の本を3冊ほど読んだところで止めたままになっている。体質的に合わないなぁ…などと言い訳しちゃって。

しかし英仏独の知識があるとオランダ語は俄然、面白くなってくる。とはいうものの、まだまだ子供のためのおとぎ話がやっと読めるか読めないか、程度なので道のりはまだまだ遠い。私には大きな目標があり、それはデンマーク語を習得する事。デンマーク映画が何よりも好きだから、なのでこれは完全に自分の趣味の話なのであるけれど、いずれコペンハーゲンにデンマーク語留学に滞在したいと本当に思っているし計画もしている。

が、しかしとにかく、まずはオランダ語をきちんと理解できるようになりたいな、というのが現状。

英独仏+オランダ語、これだけ言語がある程度理解できたら世界が広がるだろうなぁ…と思う。し、さらにここにデンマーク語が加わったらどれほど楽しくなるのだろうか…。

中年になると脳が老化する、なんて以前は考えたが今はそれは間違えだったと思っている。脳は休ませずに使い続けた方が良いに決まっている。絶え間なく脳みそを撫でて上げる感じ、あるいは前頭葉を常に発熱させてやる感じ。こういうのがきっと50歳過ぎてからの充実した脳の使い方ではないかな、と思うようになってきている。


tufs_nederlands.jpg
猛烈に学習意欲に燃えている同じクラスのお仲間との記念写真。
中央が松本俊先生



posted by カオリン at 05:59| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 語学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月11日

大学入学後、初めて伴奏をしたお相手に再会♪

tajima0710.jpg 30年振りに田島氏と

先日は元新日本フィルハーモニー首席トランペット奏者、戸部豊氏の演奏会に出掛けた。
学生時代のプロとしての音楽の仕事は全て戸部豊氏から戴いた、と言っても過言でないほどたくさんの事を教わった恩師、と思っている。まだろくに何も知らない頃から伴奏、アレンジと現場の仕事ができたのは全て戸部豊氏のお蔭で、今思うとくちばしの黄色いこんな若い子によくもまぁ、たくさんの事をさせて下さったと感激してしまうほど。戸部氏なくして今の自分の音楽人生はない、と言える。

その戸部豊氏のコンサートであるが、今回は戸部氏のお弟子さん3名がゲスト。

日本フィルハーモニー首席奏者の橋本洋氏、NHK交響楽団の佛坂咲千生氏、そして読売日本交響楽団首席奏者の田島勤氏。ピアニストは昨年に続きオペラ界で大活躍の金森敏子さん。

この日のプログラムはオーケストラに出てくるトランペットのハイライト集、と言う事で過去から現在へ、そしてヨーロッパ各地の旅、と題してたくさんのトランペットのハイライト集を聞いた。

実は戸部豊氏の伴奏者として仕事を始めるきっかけになった方がいる。
それが今回ゲストの読売日本交響楽団首席奏者の田島 勤氏である。

私が入学した頃の武蔵野音楽大学は、ちょうど金管楽器の当たり年、と言われ、
一学年上の先輩方は、皆揃って卒業後、あるいは在学中からオーケストラに入団してしまったほど、素晴らしい演奏家が輩出された時期だった。もとから武蔵野音楽大学は管楽器に優秀な人材が多いのが特徴でもあったのではあるが。

親友の紹介で、田島さんの伴奏しない?と言われたのがきっかけで
ハイドンのトランペット協奏曲の伴奏を頼まれた。自分の大学生活で初めて伴奏を務めたお相手は、そう、田島勤さんだったのだ。

田島さんの音楽に対する姿勢は非常に敬虔だけれどシビアで、私が理解できるまで絶対に許さない!というその厳しさに、彼の表現したい音楽を自分が同じように表現できない事が悔しくて、練習室を出ては良く泣いたものだった。

その田島さんの伴奏者としてレッスンに同行して戸部豊氏と出会う事となり結果、戸部氏の伴奏と編曲を務める大学生活となるのだから人の縁(えにし)は不思議な巡り合わせだと思う。

今回の演奏会でもこのゲストのお3方はすごいパワーで、まさに金管楽器奏者の円熟期を味わえた貴重な瞬間となった。

お弟子三人が並んで演奏すると橋本さんの楽器が猛烈な音圧で鳴ってきて、本当にこの人はオーケストラプレイヤーになるべくしてなったんだなぁ、学生契約という誇らしい経歴は当然だわ、と思わせる。何しろ音の密度が違う。管が鳴りきっている。若き頃の戸部氏の、鳴って鳴って仕方ないトランペット、日本人離れした音量のトランペット奏者、という個性は橋本氏が受け継いだなぁ、と素直に感じた。
そして田島さんの音色は明るく豊かでフレーズ作りが大きく、ヨーロッパのオーケストラの品の良さそのものであり、その歌い方には高雅な雰囲気が漂っていた。学生時代から変わってないなぁ…と再確認。そしてN響の佛坂さんのアンサンブルの素晴らしさ。バランスの取り方の見事さ…。お耳の良さ!こういう方がアンサンブルを最高のものに仕上げるのよね、と。

プログラム最後のムソルグスキーの「展覧会の絵」はピアノアレンジのそのままをピアニストの金森敏子さんが弾いて、戸部氏のお弟子合わせて4人のトランペットで演奏をしたが、すごい迫力で、非常に面白い企画でもあり楽しめた。特にピアニストはそれは大変で、もはや伴奏者の域を超えてしまうほどのソリストとしての演奏でもあった。

それにしても御年70歳を超えている戸部豊氏の音が、黄金期3人のお弟子と大してひけを取っていないのも驚いたりする。もちろんご本人に尋ねれば「若い頃はもっと凄かったよ!」とおっしゃるのかも知れないが。周りを見回せば、現役で演奏できる演奏家は同年代ではもはや戸部豊さんだけではないのかな、とちょっと考えたりした。ミラクル…。


自分の今の音楽生活の基礎を作って下さった田島勤氏、そしてそれを無条件で羽ばたかせて下さった戸部豊氏。そのお二人が同時にステージに乗っている日は自分にとっては記念日に思えた。もうあれから30年の月日が流れてしまったのねぇ…。自分も振り返る思い出がどんどん増えてきたなぁ…などと思いながら帰路についた。

spirithymns.jpg
戸部豊 Spirit Hymns発売中

posted by カオリン at 20:30| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月06日

入谷の朝顔市

asagao_ichi.jpg 我がマンションから撮影した朝顔市のようす

我が家は地下鉄日比谷線入谷駅から徒歩30秒のところにある。引っ越した当初はエキチカの便利さを満喫して楽しんでいたものだった。が、夏がやってきて、朝顔市が始まると状況は一転!我がマンションがテキヤに囲まれる、というもの凄い事態になる事を知った。

この三日間はたった30秒では自宅にたどり着けない。たこ焼き屋、鮎焼き屋、PSポータブルを売る屋台、そしてカブトムシを売っている屋台や、その屋台に群がる人、犬、浴衣の女性の帯とぶつかりながら、揉まれるようにして歩くとやっと自分の住んでいるマンションの玄関にたどり着くといった感じ。そして皆、手に手に朝顔を持っているのは圧巻と言えるほど。

しかしながら、マンションのエントランスにも人が入ってしまって焼きそばを食べたりするし、駐車場にも入り込んで休んでいたりお菓子を食べているギャルなど…あまりにすさまじいので、翌年からこの三日間はマンション管理組合から特別に警備員を2名お願いする事として、マンションエントランスに立ち入らない、駐車場に入り込まない、というのを縄を張って徹底する事となった。

そうしないと、マンションエントランスにも駐車場にも屋台の食べ残しや発泡スチロールのトレイなどを放置して行く輩が後を絶たないからである。とにかくみんな座り込む、座り込む。ただでも暑いのにそれを見ているとさらに蒸し暑さが増す…。朝起きると、地上からのお好み焼きのソースや、焼き鳥の焦げた匂いがここ11階まで立ちこめてくる3日間。騒音もすごいのでこの三日間は大体防音した書斎スタジオで過ごしてしまう事になる。

それにしても毎年毎年、大変なにぎわいで、どこからこんなに人が出てくるのか、というぐらい通りは人であふれかえっている。台東区はさすがに江戸を感じさせる街で、その他にもほおずき市や酉の市などがあり味わい深いが、それだけではなくその度に人々が買い物でお金を落としていくので非常に潤っている区であるのも住んでみてわかった。

毎年うんざりする3日間ではあるのだけれどやはり、なくなっちゃったら寂しい催事である事は確か。小学校の頃に発芽、栽培を楽しんだ朝顔にこんなに色々な種類があるの?というのも驚いた発見ではある。

この朝顔市で夏が到来、というのはこの地区の人たちの共通のカレンダーのような感じかな。ちょっとわずらわしくもあるけれど、私はこの入谷という町が大好きである。
asagao02.JPG 夕方からは車両通行止めになりさらに賑やかな言問通り。
奥は有名な入谷鬼子母神

ラベル:入谷朝顔市
posted by カオリン at 07:16| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月19日

芳醇な人間性を歌に込めてースウェーデン放送合唱団来日公演

swidishchorus.jpg スウェーデン放送合唱団

2006年12月の来日からはや3年過ぎて6度目の来日となったスウェーデン放送合唱団。「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に匹敵する世界一の合唱団」といわれるスウェーデン放送合唱団の演奏はそれは素晴らしかった。

生憎の雨にもかかわらず、会場オペラシティタケミツメモリアルホールは超満員。この日の演奏に期待する熱気であふれかえっていた。

オランダ人指揮者ペーター・ダイクストラによる今回のプログラムは下記の通り:

・バーバー:アニュス・デイ(神の子羊)
・マルタン:二重合唱のためのミサ曲
 I.  キリエ
 II. グロリア
 III. クレド
 IV. サンクトゥス
 V.  アニュス・デイ
・スヴェン=ダヴィッド・サンドストレーム:主を讃えよ(2003)
・プーランク:二重合唱のためのカンタータ(人間の顔)

********************
バーバーのアニュス・デイはもちろん今日の20世紀アメリカを代表する有名な「弦楽のためのアダージョ」の歌詞のついたバージョンである。
器楽には器楽の良さがあり、声楽には声楽の良さがあるが、時として声楽は器楽を凌駕する瞬間があると感じる事がままある。今回もそうだと確信。

器楽で独特の清潔なモダンとも言うべき世界を持ったマルタンの作風に慣れていた自分にはその作品がクリアで切なく美しいのにはまた違った意味で驚かされた。宗教曲は大抵晩年に書く作曲家が多いが、これはマルタン32歳の作品。静かな揺らぎの中で曲は始まり、いく層にも音が重なる様は水彩画のようなたたずまいを見せ、かと思うと瞬時に沸騰するような色彩の混ざり具合を示した。濁りのないマルタンの和声感が立体的に表現されていた。

2003年に書かれた今回の中で最も新しい作品、スウェーデン人作曲家のサンドストレームの「主を讃えよ」はリズムに特徴のある近代的な作品。彼はまだ60歳代の作曲家である。


何と言っても本日の圧巻はプーランクの「二重合唱のためのカンタータ(人間の顔)」であろう。
この作品だけは宗教曲ではない。

プーランクの音楽も秀逸だがテキストそれ自体が猛烈な迫力で迫ってくる。詩はボール・エリュアールによる。第一次大戦よりシュルレアリスムの運動に参加、第二次大戦中はレジスタンスの地下出版に身を投じ、後に共産党に入党、というその力強さと人の心を捉えて話さない彼の作風にプーランクの宙を舞うような明るく、自由な音楽が余計に生きていく事の困難さ、切なさを色濃くしている。

戦争の悲惨と苦しみを経験した者が知る、暗く激しくそれでも望みを繋いで生きていく様子が痛々しく、しかしながらそのエネルギーは力強い。特に8曲目の「自由」は大戦中レジスタンスに加わったパブロ・ピカソに捧げられている。
「自由」は「私はお前の名(自由)を書く」という意味のJ'ecris ton nom=ジェクリ トノ〜ムというフレーズが20回出てくる。そして21回目にはそれがLiberté=自由(リベルテ)となって終わる。そのジェクリ トノ〜ムがずうっと耳に残る。天から降ってくるような羽が生えて漂っているかのような透明なコーラス。でもその雲の下では人間が殺し合い自由を奪い合う。それを止めるすべもなく…人間は何と愚かな生き物…。そのように考えさせられてしまう作品であった。
ちなみにこの作品は1943年作曲当時にはフランスでは演奏不可能であったほどの難易度。である。

**************
プーランクはやはり天才だと思う。学習の積み重ねとか優秀とかいう言葉がバカらしくなるほど、この作曲家は天性のメロディが、音楽が溢れ続けて止まらない。それもたった1フレーズ出てきただけで聴衆の心をわしづかみにしてしまう。本来作曲家はこういう人間がなるべきで、神からのGift=才能という言葉が最もふさわしい作曲家だと思っている。

アンコールは三曲
1.ヒューゴ・アルヴェーン(Hugo Alalfvén)の「そして乙女は輪になって踊る」
2.ヴィルヘルム・ステンハンマル(Carl Wilhelm Eugen Stenhammar)
の「後宮の庭園にて」
3.再びヒューゴ・アルヴェーンで「私たちの牧場で」
と、1870年代生まれの代表的なスウェーデンの作曲家二人の親しみやすい曲で終演となった。

ペーター・ダイクストラのおおらかで繊細な感性でまとめられた音楽は非常にバランス感が良かった。

**************************

声楽(声)は器楽よりもずっとシンプルにステージから聴衆の所にやって来て心を掴む楽器。そして最高の声と感性をもった彼らからの波動に静かに身を委ねている瞬間、そのひとときは至福の時であった。
6月18日)

スウェーデン放送合唱団来日公演

♪おまけ♪
書斎の書庫からスウェーデンの出版社の古びた合唱曲集が出てきて
そこにヒューゴ・アルヴェーンのものを数曲発見。
スウェーデン資本の会社に勤めていた父からのプレゼント。
日本で言うところの「日本歌曲全集」みたいなものか。
sverives melodibok.jpg
Edition Wilhelm Hansen Stockholmのもの

posted by カオリン at 15:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサートレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月15日

クラシック音楽を楽しむ街・荻窪のコンサートに出演

triomaty.jpg MATYのメンバーと楽屋で
マティのメンバーは小顔、小柄。私は巨人のように大きく見える(笑)


父が勤務していた頃の上司であるカナダ在住のスウェーデン人のご夫妻が来日するという事で父の接待に同行した私は京都でご案内を努めて旅行中。明日帰るというその夜中に携帯が鳴った…。

幼なじみのパーカッショニストから。
「事情は後で話すけれどちょっとトラブルあってピアニスト探してるの。カオリンに是非お願いしたいと思ってます。ステージは15日で今日夕方リハーサルに来て欲しい」と。

手帳を見ると15日はスカ〜ンと空いている。がその日帰京の予定は23時頃。リハーサルには出られない…。急いで連絡すると「とにかく本番が空いてるならリハーサルを翌日にしても良いから引き受けて」とすがるような彼女の声。

はっきりした状況は知らないが、ピアニストが急に事情で弾けなくなった→降板!などというのはできれば見舞われたくないアクシデント。親友の置かれた状況を思うとそりゃー、一大事なわけで何とかしてあげたい。

でも楽譜も見ていないし、どんなコンサートなのかも何も聞かされていない。でも答えを選んでる場合じゃない緊迫した雰囲気。歌の伴奏だから私の日常の生活の範囲に入るのだから引き受けた。リハーサルの当日にファクスで次々楽譜が入ってきた。

行きの電車の中で楽譜をとにかく読んでガイドを入れ、コードネームをふる。おかしいのだけれどクラシックの楽譜でも私は楽譜を読む時間が足りない時は楽譜にコードネームを入れてしまうクセがある。これなら短時間でとにかく間違った和音を弾かないで済むからである。リハーサルの時は正しく弾くよりも流れとタイムラインをつかむのが先決なのでそこで練習して弾いたりしていてはダメなので、止まらない、テンポキープが何よりも大切な事、となる。ソリストは止まっていいけれど伴奏者は絶対自分から止まってはいけない!という基本的な掟があるから練習や稽古であってもピアニストは弾き出したら絶対止まれない。

京都で電話を受けて二日後が本番なワケだから驚いちゃうけれど。
リハーサルはほぼ初見で5曲を突っ走って弾いた。
なんとかタイミングだけ録音してきて翌日はもうステージ!!!だったのでその日は夜好きなだけピアノをさらった。こういう不測の事態ってあるんだと驚いて、24時間ピアノの弾ける部屋を作っておいて良かったぁ…と思った。

翌日午前中からリハーサル。そして我々マティの出演の時間がやってきた。

さて、落ち着いてきたのでお話しできるけれど
今回は親友のお嬢さんのコーラストリオの初デビューだったのね。彼女の住む杉並区は音楽家が非常に多いのだけれど、その中でも荻窪は毎年荻窪音楽祭、という企画を続けていてアマチュアからプロまで、皆さんがその日は荻窪のどこかしこでボランティアで演奏会に出演する、という企画で今回が21回目。素晴らしい。
コーラストリオ「マティ」はNHK児童合唱団で息の合った3人がトリオ結成したグループで、歌ったのはディズニーシリーズや、湯山昭、上柴はじめ作品など、バラエティに富んだ作品5曲。会場からはかわいい、と好評だった。

ステージというのはたまたまその曲が初見で弾けたとしても時間をかけたものしか出てくれない、と私は思っているから、今回はたった一晩の練習の成果でしか演奏ができなかったわけで、ピンチヒッターとしてはまずまず傷はなかったらしいけれど、曲に思いを入れていく時間がなかった事が悔やまれた。
でもアクシデントだったのだからそれはそれ、だけれど。

今回は親友の出演するプロのマリンバトリオの演奏も華やかに「21th 荻窪音楽祭」は無事終了。

この荻窪音楽祭のレベルは非常に高く非常に驚かされた。

帰りに西荻窪の駅に歩いている内に、京都からの疲れがドドドぉ〜っと押し寄せてきた。京都では朝から晩まで英語をしゃべり通し、初対面の外国人の接待は自分が海外に滞在した時よりもずっと英語が必要で、友人との旅行ではないから放っておくという事ができない。チケットを買うにもどの列車を選ぶのか、等にも全て英語での説明が必要だったので夜になるとさすがに頭がキーンとなるのだった。で、また京都が底冷えするほど寒くて。東京に戻ってからは楽譜のテーピング、譜めくりの工夫など、とにかく考える前から手が動く状態に多忙になってしまったわけ。

頭の芯が疲れるってコーユー事ね、と思いながら自宅に帰ってそのまま爆睡!

伴奏の仕事は自分の事よりもソリストに全神経を集中する。なのでこの短い日程で初めて顔合わせするソリストがどう表現したいのか、を探りながらピアノを弾く事になったわけで、その作業は自分の想像よりもかなり神経を使ったのだと翌日判った。一日中寝っぱなし。寝ても寝ても眠い。あはは。

何気ないボランティアの演奏会にピンチヒッターで出演しただけだというのに、前から準備するプロの演奏会よりも私は消耗した。おもしろいものである。でもこういう事件は非常にエキサイティングであったのも事実。私の前頭葉はその間、相当発熱していたと思う。サーモグラフィとかで見てみたかったな(笑)大学在学中の若いお嬢さま方の伴奏をするなんて事は最近では滅多にない事でそれも楽しかったし。

"MATY"の活躍を祈りながら翌日から普通の生活に戻っていく自分。
というドタバタ週末の日記。終わりよければ全てよし!という事でめでたし。

duo0515.jpg
マリンバの演奏を終えた親友と楽屋で=神崎圭伊子さん

posted by カオリン at 13:10| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | コンサートレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月30日

生とうもろこしで作るコーンスープ(ロー・レシピ)

cornsoap.jpg 生コーンスープ

とうもろこしって生で食べられる!とうのがかなり衝撃的で…。
そしてこのおいしさは病みつきになりそうなのでご紹介。

コーンスープとクラムチャウダースープの混ざったようなテイストで
冷製スープ仕立て。

生きたままの酵素がそのままダイレクトに胃と腸に届くので
整腸作用が非常に高いスープ。

これからとうもろこしが段々出てくる季節。
バーミックスなどのブレンダーが一本あれば作れるので是非お試しを。


生コーンスープのレシピ


********************

現代の食生活はあまりに食物の働きを殺したものがほとんど。
食生活は簡単には変えられないオフィス生活ではあっても
たまには毎日働きづめの胃と腸を休ませてやる…という
考え方はとても大切に思う。

週末だけでもローフードを取り入れる…
朝は野菜ジュースだけにしてみる…


など、工夫次第で現在の食生活を部分的に改善は可能だと思う。

一般的にアメリカ人は過食。そしてその文化を追う日本人も過食。
スマートでインテリジェントな食生活はいかが?

*********************
酵素の働きの事がとてもわかりやすく書いてあり
読むとすぐに日常の生活習慣を変えたくなる一冊。

「酵素」が病気にならない体をつくる!


ローフード・フォー・ビジーピープル



posted by カオリン at 13:20| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ローフード・レシピ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月18日

カオリンの料理教室開講第一回目♪

cookingschool01.jpg この日の参加メンバー

何で作曲家が料理教室するの?
と思われるかも知れないが、以前から何となくアイディアはあって…。
というのも、自分が子宮筋腫で苦しみ、様々な書物を読むウチに食生活を本格的に改善する事が何よりもの治療と理解し、実際に昨年11月から始めた食事療法によって5.5kgの体重が落ち、子宮筋腫の状態は相当改善され始めている。この病気と闘い始めてすでに5年目。色々と投薬だの、ホルモン療法だのって数年してきて悪化はすれど効果が出ず、いよいよ手術か…と言うところで最後の3ヶ月のこのレシピに切り替えた生活で体調が一変してしまったのだから驚くほかはない。投薬よりも食事なのだ!と声を大にして言いたい気持ち。

こういう食事を病気になってから、ではなく普段から取り入れられたら…それを自然に伝えられたら…と思い始めたのがきっかけ。
ましてや食事療法、というよりもグルメ指向のおいしさであるし、
実際にハリウッドの俳優達がみな自分たちの料理人にこれらを作らせている、と聞けばむしろ療法食ではなくてグルメのレシピに入ると確信できる。

で、第一回目の料理教室を始めてみた。
今回のレシピは2品の調理実習を中心に。
★お肉を使わないチリ・ビーンズ
★ごま・ウォルドーフサラダ

そして参加者にごちそうプレゼントとして
★バナナ&アボカドのココアムース、ココナッツがけ。
(こちらは食するだけで実習なし)

追々外部のお友達にも声を掛けようと思っているが
まずは愛弟子と相談してこの料理教室が始まったので
その張本人の皆さんが実習に参加。

この日のためにまな板を数枚、包丁も増やし、
バーミックス(ブレンダー)も二個あったので
それをみんなで使用。
自宅は狭く参加者4人が限界かな、というのが難点だけれどワイワイと楽しい。

さて、その調理実習の結果はご覧の通り。
cooking_school.jpg

普段お弟子とか、友人とかって、決まった時間にしかお話しできず、
お弟子に至ってはレッスンでしか会話ができない。
それではいつまでもコミュニケーションができなくて残念に思っていた。
今回、参加してくれたお弟子はみな活発。
高校でブラス・アンサンブル教えていたり、シカゴ交響楽団の演奏者にレッスンを受けにシカゴまで行ってきたりと、色々と話してくれる。今回突然欠席になった一人は急にキューバにパーカッションの研鑽に出かけられることが決まり、その準備で参加できなくなった。
何と喜ばしいことか!

自分で作って自分で食べることは本当に幸せな気持ちになるもの。
朝10時半から2時過ぎまで手も口も良く動いた週末。

カオリンの料理教室は一ヶ月に一度のペースで開催予定。
レシピは主にナチュラルハイジーン・レシピか、ローフードレシピを取り入れたメニューを予定している。

尚、レシピは「マダム・カオリンのキッチン」にも公開しているのでご興味ある方は是非そちらをご参照下さい。

★お肉を使わないチリ・ビーンズ
★ごまウォルドーフサラダ
★バナナ&アボカドのココアムース

ロー・レシピ、ナチュラルハイジーン・レシピ、両方とも
体に生きた酵素をたくさん取り入れ、胃と腸の消化の負担を軽くし、
その余ったエネルギーが血液の浄化などに使われるように考えられたレシピ。
その結果アンチ・エイジング料理とも言われている。
血栓、動脈瘤、筋腫、良性腫瘍など、固まりやコブの類にも非常に効果的なレシピ。血液がきれいになると若くなる、という論理が基本。
posted by カオリン at 11:28| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ローフード・レシピ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月15日

マヨネーズ不使用のウォルドーフ・サラダ(ロー・レシピ)

walford.jpg ごま・ウォルドーフ・サラダ

NYにウォルドーフ・アストリア・ホテルというセレブ御用達の
有名なホテルがあるが、このホテルの名前にちなんだレシピに
ウォルドーフ・サラダがある。

本来はマヨネーズでリンゴその他の果物、野菜を和えた一品だが、
ローレシピでゴマバターを使用して日本の食材でアレンジした
レシピを公開したので是非ご覧を。

マヨネーズと違ってこってり感はないものの、
逆に素材のみずみずしさがたまらないおいしさで
止まらなくなるほど。

持ち寄りの一品としても重宝。
食事制限を受けている方でも食べられるので安心。

簡単に作れるので是非おためしあれ。

ごま・ウォルドーフサラダのレシピ


posted by カオリン at 13:33| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ローフード・レシピ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月22日

アンサンブル・ノマド第37回定期演奏会 クロード・ヴィヴィエ特集

nomad_CVivier.jpg アンサンブル・ノマド:クロード・ヴィヴィエ特集

アムステルダムだったかブリュッセルだったか、記憶が定かではないがクロード・ヴィヴィエのCDを入手してからこの作曲家の不思議さが気になっていた…。

今回アンサンブル・ノマドの演奏で生で聞ける!とあって興味津々ででかけた。

今回は「ボカラ」以外は聞いた事のないプログラムばかりだった。
1.ギターのために(1975)
2.サマルカンド(1981)
3.シラーズ(1977)
4.ボカラ(1981)
5.神々の島(1977)

クロード・ヴィヴィエは1948年4月14日カナダに生まれ1983年3月7日にパリで不慮の死をとげた。つまり34歳で音楽人生を閉じてしまった作曲家。

ヨーロッパでシュトック・ハウゼンに師事したが
ヴィヴィエの作風は独自のスタイルがあり
ゆるがないものを感じる。
1977年からのアジア→中近東への長旅が彼の作風に影響を与えたと言われ、曲名も「マルコポーロのためのプロローグ」とか「ジパング」とかシルクロードそのものであったりする。

ノマドの佐藤紀夫さん曰く「ヴィヴィエは一言で言えば激情の人」
私は激情というよりも何か信念のようなものに取り憑かれて曲を作った作曲家のように思えている。

ヴィヴィエの音楽の特徴はトレモロ、トリル、そして自然倍音でのゆっくりとした上昇音列にある。
パルス感があるのとも違い、パイプオルガン音楽を聴いているのと同じような感もある。つまりクレッシェンドがなめらかなのではなく階段状に板状に増えてくるような音量の変化の仕方をするのだ。それとオール・ユニゾン!のようなフレーズに驚かされたりする。

音の密度は非常に濃くカタマリが耳に押してくる感じ。音が弧を描いたりしている割には空気感の薄い音楽で、さらにフレーズの息が異様に長い。その為に長い時間聞いていると息が詰まるというか、苦しさを覚えるぐらい質量感がある。ある意味、それは電子音楽を人間にさせているような人工的なテクニックも感じるので演奏家の負担はそれは想像に絶するものがあると感じた。

**********************************************

ヴィヴィエの音楽は当時の作曲家の流行の中央からはほど遠い所にあったと思われ、その個性は非常に興味深い。現代奏法の作品にも関わらず古代の匂いがプンプンとするこの不思議さは非常に神秘的である。

密度が濃い作風であるから当然楽器編成が多くなればなるほど面白さは増すのだが、1曲目のギターソロであったとしても、その情念というか何かに突き動かされるかのようなその波動はシンプルな1台の楽器で十分に表現されていた。

日本でメジャーな作曲家だけではなく、こういうクロード・ヴィヴィエのような作曲家の作品が聞けるのは大変嬉しい事だった。
(2010年3月19日(金) オペラシティ小ホール)



ヨーロッパで入手したマイクロード・ヴィヴィエ↓


posted by カオリン at 16:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサートレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月18日

ベヒシュタインの流れを汲むW.HOFFMANN=ホフマン・トラディション♪日本デビュー

hoffmann.jpg W.HOFFMANN T-161(2.550.000円)

3/17にユーロピアノの八王子センターにおいて
昨年日本でデビューしたW.ホフマンのピアノを使用しての
レクチャーと内藤晃さんの演奏が聴けてさらに試弾もできる、
という事で出かけてきた。

今までユーロピアノのピアノは数々試弾させていただいて
このブログでも度々紹介してきている。

W.ホフマンについてはアップライトしか弾いた事が無い。
さらにそのW.ホフマンのアップライトというのは
コンセプトはプロ向けというよりもアマチュアで
国産よりももっと音楽を楽しく感じて弾きたい、という方向けの
楽器という風に自分の中では位置づけている。

そのW.ホフマンから素晴らしいグランドピアノが出ました、
というお知らせ。価格を見ると非常に手頃で国産と大差ない。

先入観はいけないな、とは思いつつもお目当てはどちらかと言えば
内藤晃さんのピアノが目の前で聞ける、と言う魅力も大きかったし、
でもとにかく聞いて、触ってみようと思ったわけ。

*********************************
お客層は関係筋の方が多かったようにも思う。
当日は国産のピアノも隣にあり、
同じ曲が違うピアノで味わって聞く事ができた。

通常メインメーカーのセカンドラインのピアノは別会社に作らせて経費を削減している事が多い。が、このHOFFMANNは本当にベヒシュタインのスタッフが設計作製している、というのがメーカーの売りなのだ。つまり楽器の細部まで人任せにしていないよ、という事。

なるほど…。

価格帯でいうとベヒシュタインのアカデミーシリーズのA160が435万円で、それの下のライン、という位置づけになっている。A160はそれはそれは何台も試弾した経験がある。

さて、そのW.ホフマンの音を聞くとそれは一目瞭然で驚いた。
当日演奏された楽器はT177(176センチの長さ)。
国産はそれと同等のものが使用された。

**************************************

聞いたところでの特徴をここに:
・全体に丸みを帯びた柔らかな音の立ち上がり
・金属系の鳴りは非常に少ない。
・中音域の豊かさはとても良くさらに音の独立性が非常に良い。
・空気を含んだ感じの音色も特徴(=音が鳴ってから良く広がる)
・中〜高音域はキラめきというよりも厚みがある。
・それに対して低音はパワーは少な目だけれど非常に表情豊か。

内藤晃氏が演奏した曲目で感じたピアノ曲とピアノ自体の相性をココに:
バッハ=甘すぎずにまろやかな音色が出せるピアノだ。
べートーヴェン=フォルテの音色が濁らずソリッドさが際だった感じで好感が持てた。
ラヴェル=低音は正直に音が立ち上がってくる感じ。変なクセがない。ppでも音の芯がぼけずに粒立ちが良くクリアだった。

特にラヴェルのような近代の曲になると単なる鍵盤の様子にプラスしてペダリングの特徴も述べなければならないが、このあたりはベヒシュタインの響きと同じで、透明水彩画のような感じで、ペダルを踏んだまま音を重ねても透明なまま上に響きが増えていく、という特徴はそのまま。

ベヒシュタインの方がキラメキが特徴であるのに対し、このW.ホフマンはまろやかさが特徴のように聞こえた。

*************************************
内藤晃氏は非常に優れたピアニストでありインテリジェンスの際だったパフォーマーなので大体どういう楽器でも瞬時にクセを聞き抜いてそれの楽器に対応した演奏をする。
なので、そういう意味では国産のピアノを弾く際にも見事にペダリングなどで無意識にカバー修正して演奏してしまうので、そのあたりは判断が難しいものがあったが、それでも違いははっきりしていた。
国産とホフマンのどちらが良い悪いではなく、HOFFMANNは絵の具の色がたくさんあるパレットのような楽器である。
さて、そういう一流のアーティストが弾くのと自分がユーザーとして弾くのではどうなのだろうか…

********************************************
弾いたところの感想をここに:
・何しろ鍵盤のレスポンスが速くて敏感。
・予想よりもはるかに一つの鍵盤の中に何種類ものスウィートスポットがたくさんあった。
(つまりPP→FFだけじゃない色がたくさん出せると言う意味)
・音が丸い割にはクラシックタッチの物もジャズタッチのものも自由自在だった。

**********************************
よくピアノの先生の中には「日頃重い鍵盤で練習した方がよい」と仰る方がかなりいるけれど、私は違う意見である。
重い鍵盤というのは大体レスポンスが遅い。私はこういう楽器は選ぶべきではないと思っている。

先に挙げた先生のおっしゃる事というのは「重い鍵盤で練習すれば指に筋力がついて本番のステージで軽く感じて弾ける」という意味らしいのだが…何やら昭和の努力→必勝=的な感覚を覚える。

重い鍵盤で練習していると力ないユーザーはどうしても音を鳴らしたくて鍵盤に必要以上に指を押しつけて弾くクセがつく。そんなクセでいくら本番のステージに臨んだって良い音は出ない。ピアノは打鍵と書くが実は叩くよりも弾いた後の指の引き上げる早さがテクニックに繋がる。つまり弾き終わった指が速やかに上に引き上げられればどんどん速いパッセージが弾けるようになるのだ。なのにレスポンスの遅いピアノを弾いていたらその指が引き上がる速度が上がるわけはない。押しつける筋力だけが悪いクセとなって残るだけ。そんな練習を20年もして音大を出ても困るユーザーが増えるだけである。もちろんアマチュアにも同じ事が言える。

実際にステージで演奏していて重すぎて困るピアノなんかない。だったら自宅でもステージと同じようなレスポンスの良いピアノで練習すべき。そしてその良いレスポンスの楽器で自分の表現したい色をどんどん探すべきである。そういう練習の中でついた筋力は非常に合理的な筋肉と私は信じて疑わない。練習のための練習、というのが日本人はとても好きだがそれは練習であって演奏ではないので、そこが問題だと思っている。

話が横道に逸れたが、つまりこのW.ホフマンのレスポンスの良さは200〜300万円台で手に入るなら逃す手はない、というお買い得を感じてしまったわけ。

そして弾けば弾いただけピアノと様々な会話ができるのはベヒシュタインと同じ。もちろんベヒシュタインが作ったのだから当たり前と言えば当たり前だけれど。

********************************
日本人はメルセデスのマークを信じ、ヴィトンとコーチのバッグを愛する国民と言われる。本当に良さを知っているユーザーなら別にいいけれど、大半の人がそれ以外になると選ぶ自信がない、というのが実は本当だと思う。人が良いと言ったから、人気があるから…という買い物は愚かしいというのをそろそろ学んでも良いのではないかと思う。

「W.HOFFMAN=ホフマン? 聞いた事ないし、どっかで量産して日本に入れてるんじゃないの?海外のならやはりスタインウェイじゃないと…人にホフマンのピアノ買ったって言ってもねぇ…誰も知らないし…。娘はプロになるかどうかだってわからないんだし…だったらやはりYAMAHAが安心よね」と、いつまでそういう考えでいるのだろうか…。この場合の「安心」って何なのだろうか…。

*********************************
プロになるならないは関係なしで、良い音が生活にある事は豊かだと思う

W.ホフマン・トラディショナルは価格との釣り合いがとれた、と言うよりもむしろ価格を超えるクオリティを備えた素晴らしい楽器だと言える。誰も知らないだろうこのブランドを胸を張って「素晴らしくいい音だから良い楽器だから買ったの」というユーザが出てきたら日本も捨てた物じゃないと思う。

W.ホフマンを見かけたら是非試弾をオススメする。

弾くほどに驚きのあるピアノ。
シャイだけれど意外と良くおしゃべりする楽器。
良い意味でのニュートラルなグランドピアノと言える。

敢えてW.ホフマンの弱点を上げるならば…
バリバリに派手な音じゃない所? それと
低音のズッシ〜〜ンっという重量感が足りないところかな。
でもこれはスタインウェイの家庭用でも同じなので…。

******************************

hoffmann_factory.jpg八王子センターの様子

最後に…。
レクチャーが行われたのは上の画像のようにステージでもないし会議室でもない、八王子センターは工具の並んだ工房である。
そして非常に冷えてくる中で私は手が冷えて指がかじかみ試弾の時には普段の作品がさらさら弾けなかった。工房というのはそういう所。
別にそれが何だという事はない。
しかしながら、ピアニストとしたらそこでピアノを聴衆の前で弾くのは非常に考える物があるだろうと推測できる。コンディションキープの難しさという意味で。そういう場所でニコニコと色々な作品を見事に弾いて下さった内藤晃氏は素晴らしい御仁だと思った。そして事実こちらはその演奏の素晴らしさに感動した。


500万円でスタインウェイの一番小さいグランドピアノの中古があったとしたら…私は迷わずにこのW.HOFFMANNの方を買う。そして残った資金で海外に演奏会をジャンジャン聞きに行って自分の耳に栄養を与えようと思う。スタインウェイの中古は実際500万円で買ったらそのあとのメンテナンスにさらに費用がかかる。それも耳が相当ないと大変であり、さらにタッグを組む素晴らしい調律師がいないと自分の理想の音に近づくのに時間がかかる。車で言うならジャグアーはセカンドカーにしなさい、たった一台の自動車として乗っているのは惨めだよ、というのと同じ事になる。そんな高額なメンテナンス費用に投資しているウチに時間が過ぎ、音楽を聴く余裕もなく…となるよりもその費用で本物を現地に聞きに行ったら良いと思う。

え?HOFFMANN買うのでめいっぱいでお釣りなんかない?
それはそれは…失礼いたしました(笑)

絶対買って後悔しないと感じたピアノ=W.HOFFMANN・トラディショナル♪

W.HOFFMANN の詳細
ユーロピアノOfficial Site
posted by カオリン at 17:12| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ヨーロッパ製ピアノあれこれ&防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする